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Tech Instituteセミナーで講演をさせて頂きました

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大阪で行われたTech Instituteオープンセミナーで講演をさせて頂きました。
「関西から起業するとは」というタイトルで講演のご依頼を頂き、京都で起業して、今も京都と東京で事業を営んでいる者としてお話をさせて頂きました。

アメリカでは、経済の中心である東海岸ではなく、西海岸のシリコンバレーがネット産業の集積地として成長しました。インターネットが普及し始めた頃は、日本でも東京ではない場所でネット産業が成長する可能性もあっても良いのではないか、と考えていましたが、ネットが普及し始めてから20年もの時間が経過し、そろそろ事実は事実としてまず認識する必要が有ると思いました。

この20年の結果を見ますと、日本におけるネット産業は、東京にかなり集中している産業となり、出版や放送といった他のメディア産業に近い産業構造となってきたのではないかと思います。特に、インターネットで完結するようなビジネスに関しては、企業数や、産業に従事している人の数など、どんどん東京と他の地域の差が広がっているのが原状だと思います。

そういう中で、関西でIT系分野で起業をすることにはどういう意味があるのか、が話のポイントでした。僕が具体的な可能性を感じるポイントとして、1. 0から1を作る、2. B向けビジネス、3. 地域密着型、4. ハードウェア連携、の4つを挙げさせてもらいました。

将来的に大きな事業への成長を目指すとしても、とりあえずスタートするときには必ずしも大きな組織やお金が必要ではなく、むしろ集中してアイデアを形にすることが必要ですから、そういう「0を1にする」ことは地方でも十分にできるのではないか、と思います。
そこから先にどう発展させていくかですが、法人向けのB向けビジネスは比較的地方でも成り立ちやすい気がします。地域密着というのは、例えば観光など、地域と密着せざるを得ない分野でのIT活用です。ハードウェアは、メーカーや技術者の方との連携が必要となるため、メーカーの多い関西での動きも面白そうです。

とまあ、こういう現実的な話を踏まえた上で、付け加えさせていただいたのが自然や環境のことです。地方では、自然に近い場所で生活ができたり、家族や子どもと一緒に過ごせたり、食事が美味しかったり、といった、人間としての基本的な活動を行う上での環境の良さがあります。経済的な競争、時価総額や報酬といった数字の競争のみではなく、人間として生きていくことの豊かさも同時に追求できるところに大きな価値があると感じます。

環境が良いので人間として豊かな生活ができます、というだけではなく、そもそも、大ヒットするサービスや製品というものは、本来人間にとって必要であったものが「発見」された、という感覚があります。例えば自動車が生まれると、人間は自動車のない世界には戻れないように、その製品が世に生まれると不可逆的な変化が起こり、その製品がない世界には戻れなくなるようなものが、最も息が長く、たくさんの人に必要とされる製品となるのではないでしょうか。

では、次にどういう製品が人間には必要とされているのか、を「発見」するためには、人間が本能的に次に何を求めているのか、を考える必要があります。そのためには人間を知る必要が有ると思います。その人間は、大きな自然の中の一部であり、自然から完全に切り離されては生きられない生物ですから、そういう意味で自然を知ることは、ものづくりの本質に迫る重要なことなのではないかと感じます。実際に、「この方の発想は面白い」と感じるような発想を持った方は、幼少期に自然の中でたくさん遊んでいたような方が多いと感じます。技術は、人間を自然からどんどんと引き離す方向に進化しますが、自然と人工物の間の距離が近い場所で、両方を行ったり来たりしながら、人間が次に必要とするものを着想していけたら楽しいと思います。

自分たちも何かもっと面白い事例になれるように努力を続けていきたいと思いますので、一緒に挑戦しましょう!ということで話は締めさせて頂いたのですが、参加者の方や、一緒に登壇された皆さんともそこから色々と話が盛り上がり、楽しい時間を過ごさせて頂きました。どうもありがとうございました。

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